海外の映画でよく見る「プロム」って何?
出典:映画「10 Things I Hate About You」より
海外ドラマや映画を見ている時に、「プロム(prom)」と呼ばれるパーティが行われているのを見たことはありませんか?ティーンエイジャーを題材とした作品では本当によく登場するので、見たことがある人が多いと思います。
ただ、このプロムとはなんなのか、いまいちよくわかってない人も多いですよね。私も最初はプロムのシーンを見て、やっぱり海外の人はパーティ好きだから学校でもパーティがあるのだなという、とっても雑な印象しか持っていませんでした。
ということで、今回は「プロム」についてのお話をしたいと思います。
そもそも「プロム」とは?
そもそもこの「プロム」とはなんなのかというと、日本で言うと高校2年生の時(つまりアメリカで言えば最後の学年から2番目)と高校3年生の時(最後の学年)で2回行われるパーティ形式のイベントのことです。主にアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの英語圏の国々で行われており、 かなり重要なイベントとされているんだそう。欧米圏では日本でいう成人式のようなイベントはないため、高校卒業時のプロムが成人式のようなものでもある、と私の友人は言っていました。
プロムの内容としては、まずは参加者は正装で着飾って参加するのがルールです。男性はタキシード、女性は華やかなドレスを着て、ネイルやヘアセット、アクセサリーにも気合が入ります。ここら辺は確かに日本の成人式と似てますよね。また、参加するためには基本的に男女のペアでないといけないため、参加したい人はとにかく頑張ってパートナーを探したり、これを機に気になる人を誘ったりします。
そして、上記の項目をクリアしたものだけがプロムに参加できるのです。一般的には学校の体育館もしくは学校が手配した会場でダンスをしたり食事をしたりします。大抵は生徒の投票によって「プロムキング」と「プロムクイーン」を決めるコンテストのようなものもあるらしく、なんだか大学の学祭のような雰囲気もありそうですね。
これらのことを聞いただけではただの楽しいパーティのようにも思えますが、実はプロムには様々な問題があります。
「アンチ・プロム」の存在
「スクールカースト」という言葉を知っていますか?小学校・中学校・高校での生活を思い出してみてください。運動が得意な子、勉強が得意な子、面白い言動でクラスを明るくする子、静かに本ばかり読んでいる子、不思議な雰囲気の子等々、様々な子がいたと思います。
さらに、その属性は生徒たちの間に微妙な優劣の意識を生み出し、似た属性の子と仲良くなり、自分より「上位」にいることは距離を置いている場合が多いのではないでしょうか。そのように、学校という空間の中で自然とできてしまう人気の度合いに順位がつくことが身分制度のようであるため、スクールカーストと呼ばれているのです。
プロムの本場であるアメリカではスクールカーストはとてもわかりやすく、主に上位層・中間層・下位層の3つに分けられます。上位層にはスポーツマンで人気者の男性(ジョックス)、主にチアリーダーをしている容姿端麗な女性(クイーン・ビー)が属しており、中層にはその取り巻き、下位層にはオタク系(ギーク)やいわゆる不思議ちゃんと呼ばれる人などが属しています。
そして、プロムというイベントはその形式もあって、スクールカーストで上位の人々が活躍する場であって、下位の者はのけ者にされやすいイベントです。その結果として、現在では一部の生徒たちは「アンチ・プロム」として、プロムに対する反対の抗議やボイコット、また非公式に集会などを開催してもいるようです。
プロムは原則として男女ペアということもあり、LGBTQの人々は参加しづらい・できないイベントでもあります。最近では生徒の抗議によってゲイカップルの参加が認められた学校が増えてきたりしてもいるようですが、アンチ・プロム側に参加する人もいるようです。
まとめ
以上、「プロム」に関して話してきましたが、いかがでしたか。
私はプロムというイベントについて、「異性愛主義が非常に強い、華やかでいることを強要されるイベント」のように感じました。 ただ、 プロムも時代に伴って改善されているようです。マイノリティも参加しやすいプロムへと、変わっていくと良いですね。