振袖にはファーショール、つける?つけない?
2016年度の成人式も終わり、もう2月ですね。つまり、2017年度の成人の皆さんが、自分の成人式について本格的に考え始めるということですね。考え始めるどころか、もうすっかり準備万端という人もいるかもしれません。
ところで皆さんは振袖を着る際に、あの「白くてふわふわのファーショール」はつけますか?白いファーショールといえば、もう当たり前のように目にする存在でありながら、「盛り髪・盛りネイル」、「花魁風着付け」とともに、毎年成人式の時期には批判を見かけるアイテムのひとつでもありますね。
今回は、そんなファーショールについて考えていきたいと思います。
成人式でのファーショールはなぜ批判されるのか
この「振袖にファーショール」という組み合わせを批判する声の中では、「振袖という伝統的なものにファーという近代的なものは合わない」、「大きくて派手なファーは下品」、「みんながみんなつけていて個性がない」という批判を主に耳にすることが多いです。
ただ、これらの批判はどれも的外れな意見なのではないでしょうか。
そもそも成人式は「伝統的な行事」とは言い難い、一種のイベントとして現在は扱われています。成人式に出るのはもちろん強制ではない上に、当たり前ですが、成人式に出なくとも成人を迎えることは可能です。
ドレスコードというものはこのイベントには存在せず、振袖を着ることだって「マナー」だから着ているというわけではありません。つまり、振袖を着たい人は着れば良いし、ファーをつけたい人はつければ良いというそれだけのことです。
「下品」という批判もこれに似たようなもので、あなたがそれを下品だと思うのならば身につけなければいいというだけのことなんですね。そもそも「下品」「上品」というのはある程度個人の主観によるものか、または社会的なルールを刷り込まれた上でそれにそぐわない人間を「下品」であるとして批判するのに使われています。
自分が何かを「下品」であると思った時は、何故自分がそう感じたのかを一度考えてみるのが良いのではないでしょうか。
また、ひとつ付け加えておくとファー素材のショールはそんなに新しく近代的なものではなく、まだ着物が生活に馴染んでいた頃から防寒具の一種として存在していたようです。
最後の批判は、「みんながつけていて個性がない」ということですが、では成人式に振袖やスーツを着ることはどうなんだろうか、これも個性がないのではないか?と私は思ってしまいました。
2000年代に入ってから、「ナンバーワンでなくてもオンリーワンでいいんだ」という意見がたくさんの人に多く支持されてきました。私もこれには賛成です。すべての人がナンバーワンにはなれませんから、オンリーワンであることの方が重要とされるべきなのです。
ただ、なんだか最近はオンリーワンであることを「他人とは違う特別な個性を持っていること」と理解している人が多いような気がします。そして、人と同じことをしている人間は「個性がない」として批判されます。
少し考えてみればすぐにわかると思いますが、オンリーワンであるというのは個性的であるということではありません。人間は誰しもが生まれつき「オンリーワン」であり、流行りの格好をしていても、白いファーショールをつけていてもその姿はオンリーワンであるに決まっているのです。
まとめ
以上、今回は振袖に白いファーショールを合わせることへの批判に対する意見を述べてきました。
成人式というのは、着たいものを着たいように着るべきです。白いファーをつけている人が多くとも、一部の人々がそれを批判しようとも、あなたがしたいことをしているだけで、それは既にあなたなりのコーディネイトなのではないでしょうか。
もちろん、ファーショール以外にも綿素材のストールやベルベット素材のショールなど、可愛いものはたくさんありますから、自分の好みによって選ぶのも良いですね。
せっかくの成人式ですから、納得がいくようにコーディネイトを楽しんでくださいね。